久しぶりに、外に出た。朝焼けが眩しい。
海沿いのあの道を通って、数日振りの学校に向かう。その途中で浜辺に降りて、わたしはふたつの小瓶を海に向かって放り投げた。どぽんと音と飛沫を上げて、彼とわたしのメッセージボトルは泡と共に海に沈んだ。
届いてほしい。届かないでほしい。彼でなくとも、誰かには。いや、誰にも見られたくない。それでも、誰かに届いてほしい。あわよくば彼に。
矛盾した感情がいくらでも湧き上がった。彼もこんな気持ちだっただろうか。それとも大人はそんなことないのだろうか。わたしはそれを振り切るように海に背を向け、学校に向かった。
――おねえちゃん。もしもその小瓶を拾ったら、彼に、彼に……。
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