TRUST THE TRUTH

 

 あれから幾許。わたしはもう、あの海のそばを通っても、そのまま通りすぎることができる。

 ある夜のことだ。海沿いの道を歩いていると、ふたりの男が海辺に佇んでいるのを見た。そのうちのひとりはいつかの彼と同じ色の瞳をしていたが、隣に誰かがいるのなら、その彼ではないだろうと思った。そもそも、瞳の色以外はなにもかも違う。

 今夜も、牡牛は夜空のプレアデスの中にいる。やっぱりそれは牡牛には見えないけれど、それでもわたしは、それを牡牛座と呼びたい。

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